50代のサラリーマンが起業する時、最も気をつけるべきと私が思うのは、
当然ですが、
資金です。
お金はとても大事です。
残りの人生を悠々自適で過ごせるだけの額を、そこそこの年齢で稼いでしまってアーリーリタイヤをしたものの、うまく行かなかったらしい知人が何人かいます。
彼らは、またビジネスに戻ってきました。
先日、大学時代の友人4人でそんな話をしていたら、2人がそれで別れた夫婦を知ってると言ってました。
2人とも外資系の金融機関に勤めていて、身近にそういう例があるようです。
サラリーマンだと、どうなんでしょうね、もう一度ビジネスに戻ることはできるのでしょうか…
まとまったものを持っていても、お金が減っていくだけの生活というのはきついらしいです。
それは、私も幾らか経験があるのでわかります。
まあ、私がその時持ってた金額とは比較にならないほどの金額を持って辞めたに違いありませんが、それでも減っていくのはしんどいでしょう。幾らかでも増えるか増える可能性がないと。
50代になってビジネスを始めると、
背負ってるものもありますし、
挽回のチャンスも限られます。
若いなら、一か八かで勝負できるでしょうが、50代だと資金を守りつつビジネスをしなければなりません。
どれくらいの資金なら失って耐えられるかを知ることから始めるのがいいです。
私の考えでは、幾つかのラインを引いておくのがいいと思います。
まず、最初は、理想的なラインでしょう。
これくらいの額なら、十分に堪えられる。
別のビジネスを考えることもできるライン。
次は、できればこれくらいで資金流出が止まってほしいと考えるライン。
この額の投資で単月黒字になってほしいと考える額です。
そして、ここまでで勘弁してほしいと考えるライン。
この額であれば仕方ないと思える額。
そして、最終的な防衛ライン。
もう、これ以上は、ビジネスがどんな状況であろうと撤退するという額。
初めに考える時って、何となくうまくいくような気がするものです。
だって、うまくいきそうにもないのに始めたりしないでしょう?
なので、あまり深刻に考えられないと思うんです。
その意味で、最終的な防衛ラインを”本気で”考えるのは難しいかもしれません。
結果として、本当の最終防衛ラインを大きく上回ってしまうような額を考えたり、そこまで行くことはないと負担できる額よりもずっと少額を設定したりしそうです。
でも、この最終防衛ラインは大事です。
ビジネスがどんな状況であろうとも、投資がこの額に達したのにさらに資金が必要な状況なら撤退するラインです。
この額を投資して、単月の黒字が達成できていなければ、そこまでの投資を捨てて撤退をする額です。
そこまでに投資してきた時間と金額を考えると、「もう少し」と考えてしまうでしょう。
いや、きっと考えるはずです。
しかし、最終防衛ラインだけは何としても守らなければなりません。
ここを守らないと、50代の起業では残りの人生を棒に振ることになりまねません。
私は運よくこの最終防衛ラインに達して判断しなければならない状況に陥ったことはありませんが、これを守るのは難しいだろうことは十分に想像できます。
でも、ここは絶対に守るべきです。
絶対に守らなければならない最終防衛ラインだからこそ、絶対に守ることを自分に納得させられるだけの根拠で設定する必要があります。
事業にリスクはつきものです。
リスクのないビジネスはありえないです。
だからこそ、リスクをコントロールしなければなりません。
事業は、赤字そのものが問題ではありません。
あなたの月収を1億円と設定すれば、たいていのスモールビジネスは赤字になります。
会社は赤字で潰れるわけではないです。
資金が回らなくて潰れるんです。
赤字が続けば資金が回らなくなる蓋然性が高くなるというだけのことで、赤字と継続は別物です。
事業(会社)の継続のために最も必要なのは資金です。
あなたの生活に最も必要なのも資金です。
資金を守りつつ事業に取り組まないと、50代の起業はリスクが高いものになってしまいます。