50代でサラリーマンを辞めて起業する。
50代で起業を考えるときに、最初に浮かぶ考えの一つは「起業のリスク」ではないでしょうか。
「起業」に求めるものによって許容できるリスクは違うでしょうが、世の中の基本はハイリスクハイリターンであり、ローリスクローリターンです。
ローリターンであるスモールビジネスの起業の場合は、ローリスクでなければ見合いません。
どれくらいが「ロー」で、どうなると「ハイ」なのかは、個々の状況により異なります。
「ロー」か「ハイ」かは、あくまで主観の問題ですね。
私がここで大事だと思う点は、
リスクに見合う利益が得られるのかということと、
利益に見合うリスクに止まるのかということです。
事業のアイデアそのものに没頭してしまうと、このバランスが崩れてしまっていることに気づきません。
製品の改良(改善)に懸命になるうちに、誰も買わないような価格でしか売れないとか、誰も欲しくないような商品になってしまうことがあってはいけません。
「リスクはできるだけ小さい方がいい」「決して大きなリターンを求めるわけではない」というのが、50代のサラリーマンが起業するときの主流の考えではないでしょうか。
だとすれば、小さなリスクと小さなリターンという組み合わせになります。
もちろん、事業の進展に伴い、少しずつ大きなリスクを取ることもできるようになります。
そのときに、リスクを取って事業の拡大(リターンの拡大)を図るのか、リスクを極小化していくのかは、あなた自身が選択すればいいことです。
さて、早期に退職し、サラリーマンを辞めて起業しようかと思う50代にとって、どんな事業を選ぶかというのは、それなりに難題ではないでしょうか。
サラリーマンというのは、世の中のマジョリティですが、一人ひとりが見ている世界はあまりに偏っています。
もちろん、私もそうでした。
私は、会社を辞めて一人になった時に、初めて世の中には実にたくさんのビジネスがあることに気づきました。
街を歩いて、様々な会社の看板が掲げられていることに驚きました。
サラリーマンの頃には、全く見えていなかった世界でした。
それは、事務所ビルに掲げられている看板に無数の会社名が記されているということでもありますし、ビルそのものが知らない会社のものだということでもありました。
一等地に存在しているビルに掲げられている会社名が見当もつかない名前であることに気づきました。
知らない会社、知らないビジネスが数多あって、一人になった自分はその末端にさえまだいないことに恐怖しました。
あまりにちっぽけな自分が、これからどうなってしまうのだろうと考えると、暗澹たる気持ちになりました。
世の中で、いくらでどんな物が売れるのかというのは、それまでの私が考えたこともないことでした。
「高い」「安い」と自分の中で判定しても、それはどうしてその価格で売られているのかというようなことは、考えたことがありませんでした。
100均の商品はどこで作られ、どう流通しているのか、何個売れば生活できるくらい儲かるのかと考えて、途方に暮れました。
どこでどんな商品を調達し、どんな価格で販売することができるのか、あるいは、どんな製品を作れば買ってもらうことができるのか。
わかっていたつもりのビジネスの世界は全く未知の領域で、世の中は謎だらけで、私はその中で何を始めたらいいのかわかりませんでした。
もしかすると、今のあなたも同じかもしれません。
起業すると言っても、何を売ればいいのか。
売るためには、どこで商品を調達すればいいのか、どうやって売るものを作ればいいのか。
答えは、「何をやってもいい」なのですが、それは起業をしようというサラリーマンにとって回答にはならないですよね。
でも、本当に「何をやってもいい」んです。
今の私には、「何をやってもいい」について、具体的に幾つかのアイデアがあります。
それらについて、このブログでも記事にしていますし、これからも書いていきたいと思います。
それらは、起業した私がサラリーマン時代とは異なる見方で世の中を見た結果として獲得してきたものです。
実際に、起業したからこそ見えてきたものです。
大切なことは、「リスクとリターンのバランス」。
そして、ともかく「始めること」。