起業の準備に時間をかける人の中で、いろんな知識が必要だと考える人がいます。
私は、知識なんて要らないと思いますが、世の中の人がどれくらい知識がないのかわかりません。
ただ、やってみないとわからないことは多いし、生半可に知っていたところで役に立たない知識を得るのに時間をかけるのは勿体無いと思うだけです。
起業前に習得しておきたい知識として、税務の知識を挙げる人がいますが、ちょっと勘違いしてるのではないかと思います。
税務の知識を挙げる人は多いのに、民法や商法、労働関係の法律について学ぼうって人が少ないのはどういうことかと思ったりします。
自分の商売に関連する法規について学ぼうってのも聞いたことがありません。(まあ、起業・創業のアンケートの話と私の周りやクライアントの話です)
税務も法務も同じように重要です。
なのに、税務偏重のように思うのは、私だけでしょうか?
かつて、セミナーの参加者と話していた時に、「まだ、税務の知識が…」という話になりました。
「民法の知識は?」と尋ねましたが、法律は全然学ぶ予定にはなっていないと。
税務の方が簡単だとでも??
私は、サラリーマン時代に、一般教養として身につけた程度のことでしかありませんが、まあ、ベンチャーで上場して役員をやってた間も、特に困ったことはありませんでした。
その延長で、特にそういった知識の準備はないままに起業してしまいました。
で、何か困ったことが起きているかというと、時に困ったことはありません。
法律の方は、基本的な考え方が間違っていなければ、あとは相談しながら進めるしかないです。
どんなに用心しても、最後は裁判しかないわけですから、そうなった時に備えて、基本的に正しいはずのことをしておくしかないです。
裁判は、毎年決まってやるものでもありませんし、日々、法律問題は発生するわけです。
売り買いの全ては、法律関係ですし。
雇用も法的な関係です。
この、「基本的に正しいはず」のことについての知識は必要かなあと思います。
税務は基本は年に一度の「処理」です。
税務の知識は、常にアップデートされていなければなりません。基本的な考え方だけで「処理」はできませんから。
税務を事業の片手間で正しくやるのは難しいです。
だから、私は、全部、税理士に任せるしかないと思っています。
最も正しく処理するためには、専門家に頼むのがいいです。
餅は餅屋という言葉があります。
起業の準備としていくら準備しても、税理士にかなうほど知識を使い、処理できるとは考えにくいです。
彼らは、基本的な知識だけでなく、日々、それを使い、様々なルール変更に対応し、税務署ともやり取りをしてスキルを磨いているわけです。
起業前に税務の知識を得ても、使える知識になるまでには道程は遠いです。
いかに「売る」かだけを考えて、さっさと試してみるべきです。