友人が起業することになりました。
これまで長いこと雇われ社長をやっていましたが、辞めることにしたそうです。
50代ですし、ビジネスマンとして、起業するに早すぎることはありません。
決して状況のよくなかったはずの会社を10年近く預かり、何とか保たせてきたわけで、よくやったと思います。
オーナーにはずいぶん慰留されたようですが、自分のやりたいことをやらせて欲しいと話して、円満に任期満了で退任することになったそうです。
慶賀
7月頃から、何度か会って起業に向けた話を聞いています。
彼も、話しながら自分の考えを整理したいようですし、私も何か役に立てればと思いますし、何より面白いので。
ただ、このところ、ちょっとしんどいなあと思い始めました。
最初は今の会社でやっている事業に関連するビジネスをやるって話だったのですが、少しずつズレてきて(というか、関心の領域が広がってきて)、収集つかなくなってきました。
挙句、
最近は「社会起業」に目覚めてしまい、
絶対にビジネスにならないようなことばかり話しています。
もちろん、「社会起業」だからビジネスにならないということではありません。
彼の話が絵空事すぎるだけのことです…
ビジネスは、お金が動かなければなりません。
お金が動いて、自分のところに入ってきてくれないと、出そうにも出せません。
出せなければ、誰も雇えないし、何も買えません。
そんなこと、私が言うまでのことでもなく、誰でもわかっていることです。
自給自足で生活してるわけじゃないんだから、何も買えない状況に陥るのはマズイです、当然。
社会の問題に立ち向かうのはいいけど、
誰もその解決の対価を払ってくれないような問題に取り組むのは、ビジネスではないですよねー。
いや、絶対ビジネスじゃない。
お金が回らなければ、いくらいいことやろうとしても続かないじゃないですか。
企業の最大の命題は継続です。
継続しなきゃ、社会における役割が果たせない…泣
こういう社会的な問題を解決するんだから、クラウドファンディングで資金を提供してくれる人がいるはずだとか、自分の周囲で資金提供者(多分、私も数に入ってる…)を募るとか、行政が補助すべきだとか、何だか壊れてしまったようなことを口走るのを聞いて、えらいことになってしまったなあと思っています。
雇われとは言え、現役の中小企業経営者が言うようなことかと耳を疑ってしまいます。
それも、本当に彼が残りの人生をかけてやりたいわけでもなさそうなんですよね…(笑)
身の丈のありふれた小さなビジネスではつまらないってことなんです。
社会起業に関心が向いているのは、そういうことなんだって見えてしまうんです。
その点で、動機に不純さを感じてしまっています。
社会起業はビジネスであればこそ、起業と呼ばれるんです。
ビジネスであるからこそ継続するんだし、継続するからこそ役割を果たし続けることができる。
社会起業家になる
というのは立派な野望です。
ぜひ、社会「起業」をやっていただきたい。
ここまで、サラリーマンとしてしっかりやり通してきたわけですから、これからは自分のビジネスを作り出してほしい。
できれば、私の小さな資金などをアテにしないで成立するようなビジネスであってほしい。